京都の魔界スポットのひとつに京都東山にある六道珍皇寺があります。
清水寺がある鳥辺山あたりはむかしは鳥辺野と呼ばれ、風葬、鳥葬の場所で、
死んだ人はそのまま捨てられていたそうです。
六道珍皇寺の門前の松原通(旧五条通)は、鳥辺野に亡骸を運ぶ際の通路でした。
都人たちは通路の途中にあるこの寺で野辺送りの法要をしました。
そのためこの寺はこの世とあの世の境と信じられてきました。
平安時代の初期、小野篁(おのたかむら)がこの寺の庭にある井戸を伝って、
あの世へ行き、閻魔大王の審判の補佐をしていたと伝えられています。
なぜ彼が閻魔大王の補佐をしていたなどいう伝説が残っているのか?
「江談抄」「今昔物語」「元亨釈書」にもこのことが記述されているので、当時からこのような話が流布していたようです。
2014年10月26日に参拝したのですが、境内は自由に散策ができました。
日曜にもかかわらず、観光客はまばらで、私が訪問した際も、3つほどのグループしかいませんでした。
六道珍皇寺の門。門前に小野篁石碑が建てられています。

閻魔堂に鎮座する篁作の閻魔大王の木像。
扉が閉まっているので、小さなガラス窓ごしに撮影しました。
閻魔大王は死者の生前の行いを裁き、行いが悪ければ地獄へ落とします。
子供のころよくこの話を聞かされ、悪いことをしないように心がけていました。

本堂の庭にある冥府へ通じる井戸(冥土通いの井戸)。
特別拝観期間以外は本堂横の扉の覗き穴から中を観ることができます。
井戸は画像右側の植木の下にあります。

8月はお盆です。死んだ人があの世から帰ってくると言われています。
そのため盆の入りには玄関で迎え火を炊き、終わりには送り火を炊きます。
京都では五山の送り火が行われ、あの世へ帰っていく亡くなった人たちを送ります。
死後の世界はあるのか?
それはわからないですが、亡くなった人を思い、偲んでいくようにしたいですね。
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